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症状固定

事故チームリーダー/柴橋弁護士のアイコン画像事故チームリーダー/柴橋弁護士
むち打ちなどの場合、保険会社は事故後数か月程度で、そろそろ症状固定にしてほしい、治療費を打ち切りたい、と促してくることが多くあります。このようなとき、どのように対応すべきかご説明します。

1.症状固定とは

治療を続けても大幅な改善が見込めず、長期的な視点で見ると、回復・憎悪がなくなったといえる段階を「症状固定」といいます。完全に回復(治癒)していない状態で観念しうるものです。

☑ 症状固定とは,治療を続けても大幅な改善が見込めなくなった段階

2.症状固定と判断されるとどうなるか?

この症状固定は、事故による損害賠償の額に大きく影響するため、非常に大きな意味を持ちます。すなわち、症状固定までは治療費や休業損害、入通院慰謝料などを損害賠償として請求できます。

ところが、 症状固定後は、原則として治療費や休業損害、慰謝料などの損害賠償を一切請求できないことになります。
もっとも、後遺障害が残り、かつこれが一定程度以上のものであるとして後遺障害の等級が認定されれば、後遺障害に関する逸失利益や慰謝料を請求することができます。

このように、症状固定後は原則として治療費その他の損害賠償の請求ができなくなりますので、症状固定の時期は大きな意味を持ちます。

☑ 症状固定後は、原則損害賠償を一切請求できない
☑ 後遺障害の等級が認定されれば、後遺障害に関する損害の請求をすることができる

3.症状固定時期を判断するのは誰か?

この点、保険会社がすでに症状固定の段階であるとして、一方的に治療費の支払を打ち切ることもあります。
しかし、治療を続けても大幅な改善が見込めないかどうかについては、本来はこれまで治療を続けてきた医師と、治療を受けてきた被害者本人が相談しながら決めることです。

医師が治療を継続すれば改善の見込みがあると判断しているのであれば、治療が必要である以上、保険会社から治療費の支払いを打ち切られても、自費によってでも治療を継続すべきです。立て替えた治療費については、その後、損害賠償として請求していくことになります。

保険会社が治療費支払いの打ち切りをした時点が症状固定を意味するのではありません。

☑症状固定時期は医師と被害者本人が相談しながら決める
☑保険会社が治療支払いの打ち切りをした時点ではない

4.保険会社に治療費の支払いを打ち切りたいと言われたときは?

以上のように、保険会社から治療費の支払いを打ち切られても、それは症状固定を意味するものではないので、その後、医師から症状固定と判断されるまでは、理論上は立て替えた治療費を請求できるとはいえます。

しかし、保険会社が因果関係を争ってきた場合は任意に支払ってもらえず、訴訟になっても、場合によっては裁判所が請求を認めてくれないこともありえます。

このように治療費を打ち切られると、事実上被害者が治療費を負担するおそれが生じます。

そこで、このような場合には、医師に治療継続の必要性を記した診断書を作成してもらい、これを保険会社に提出して説得し、治療費の支払の打ち切りを延期してもらうことが考えられます。また、弁護士が介入して症状固定時期を明確に示せば1か月程度であれば保険会社が打ち切りを延期してくれる場合もあります。

ただ、症状固定後でないと損害額は確定せず、逸失利益や後遺症慰謝料も請求することができません。
そうすると、後遺障害が認められる見込みが大きいといえる場合であれば、いたずらに症状固定時期を延ばすのではなく、早く症状固定として清算した方が適当といえる場合もあります。

このように、症状固定時期をいつの時点にするかについては判断が難しく、専門家のアドバイスを受けるべきと考えます。

☑ 治療継続の必要性を記した診断書を提出すれば延期される可能性あり
☑ 弁護士が症状固定時期を明確に示せば,1か月程度延期される可能性あり
☑ 後遺障害が認められる場合,早く症状固定として清算した方が良いこともある

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