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交通事故を起こしたときの点数と、それによるペナルティについて

 交通事故を起こしたいと思って起こす人は、おそらくひとりもいないでしょう。しかし交通事故の加害者になった場合、当然そこにはペナルティが発生します。今回は、そのペナルティのひとつである「点数」について解説していきます。

 なお、ここでは「免許証」「点数」としていますが、特記がない限り、これは「日本国で発行されている運転免許証」および「その運転免許証に関わる点数」という前提でお話していきます。

免許証の点数とは

 「免許証の点数」という言葉は、運転をする人ならば誰もが耳にするものです。
 ただ、「なんとなくわかったような気でいるけれど、実は正確には理解できていない」という人も多くいます。
 そのためここでは、まずは「免許証の点数の基本」から解説していきます。

1. 免許証の点数は加点式

 よく「2点引かれた」などといいますが、実は免許証の点数は加点式です。違反などをすると、1点、2点、3点……と加点されていきます。減点方式ではなく、加点方式なのです。

2.点数が一定の点数に達すると、ペナルティが課せられる

 「免許証の点数は加点方式である」としました。加点方式であるため、ある一定の点数に達すると、具体的なペナルティが課せられます。

3.免許証の点数がクリアになるまでにかかる期間は、「3年間」が基本

 「免停までには至らなかったけれど、点数は加算された。この点数がクリアになるのはいつ?」と疑問に思う人もいることでしょう。
 この場合は、3年間経てば累計の対象外となります。
 ただし例外もあります。
 たとえば、「累計点が9点に達して免停処分を受けたが、それを満了し、かつ1年間違反がなかった」という場合は、累計点数が0点に戻ります。
 また「今までずっと無事故無違反で2年間やってきたが、軽微な違反(3点以下)を1回犯してしまった」という場合、その後3か月間にわたって無事故無違反であったのなら、点数としてカウントされなくなります。

4.今の点数を知る方法

 今の点数を知りたい人は、「累積点数等証明書」を発行してもらいましょう。これは、お近くの交番や派出所などで申し込みが行えます。なお「免許取得から今までのものを全部知りたい!」という人は、自動車安全運転センター事務所で申し込みを行います。

点数は「行政処分」に関わってくる

 人身事故を起こしたとき、加害者は以下の3つの処分を受ける可能性があります。
 今回は「点数」に関わることですから、「行政処分」を中心として、ほかの2つについては軽くまとめていきます。

・行政処分

 今まで述べてきた「点数に関するペナルティ」です。行政処分は公安委員会の管轄で、点数が一定の点数に達すると、免許停止(以下「免停」)や「免許取り消し」の処分が下されます。

 この「免停」「免許取り消し」は、前歴のあるなしによって処分内容が大きく変わってきます。
 同じ違反内容であるのなら、前歴のない人よりも前歴のある人のほうが処分は重く、また前歴の回数が多い人ほど処分が重くなります。
 なおここでいう「前歴」とは、「過去に免停となった経験がある」を示す言葉です。

 たとえば、前歴がない人の場合、6点に達すると30日の免停となります。前歴がある人の場合は、もっと低い点数で、かつ長い免停期間が科せられます。たとえば前歴が1回の人は4点で60日の、前歴が2回の人は2点で90日の、前歴が3回の人は2点で120日の、前歴が4回の人は2点で150日の免停期間が科せられます。

 なお、ここでは「累計点数」でお話ししていますが、たとえば危険運転致死傷罪(62点)などの場合は、たとえ前歴がなかったとしても、1回で「免許取り消し」という重い処罰が科せられます。また免許取り消しとなった場合は欠格期間(免許の再取得ができない期間)が設けられます。たとえば危険運転致死傷罪の場合、前歴がなかったとしても8年の、前歴が1回でもあった場合は9年あるいは10年の欠格期間が設けられます。

・刑事処分

 刑事処分は、検察の管轄です。
 人身事故(や一部の物損事故)を起こした場合、刑事事件として立件される可能性があります。刑事事件として立件された場合、罪の重さに応じた刑事罰が科せられます。たとえば懲役刑や禁固刑で実刑が科せられた場合は刑務所に収監されることになりますし、罰金などが科せられることもあります。

・民事処分

 民法に基づく処分です。
 被害者が受けた被害に対して、それを償い、また補償することを目的としています。ケガの治療費だけではなく、慰謝料を支払ったり、休業損害を補償したりする必要があります。

具体的な点数

 上記でも例として「危険運転致死傷罪」を取り上げましたが、ここからはより具体的に「被害の状況によって科せられる点数」について解説していきます。
 なお下記をみて、「なぜ同じ『死亡』であっても、危険運転致死傷罪と点数が違うのか」と疑問に思う人もいるかもしれません。
 これは「どのような状況で事故を起こしたか」によって変わってくるからです。たとえば「酒に酔って正常な判断ができない状態で、信号を守って横断していた人を死亡させた」と、「真っ暗ななかで無灯火の自転車が、信号無視をして猛スピードで逆走してきて、避けきれずにはねて死亡させた」では当然処分が変わってきます。
 なお、危険運転致死傷罪の場合は、治療期間が15日未満であっても45点の点数が引かれ、前歴のない人でも1回で5年の免許取り消しとなるほか、刑事罰が下される可能性が非常に高くなります。

 そのため下記の点数は、あくまで、「基本的には加害者側の不注意によって引き起こした事故」の点数だと考えてください(相手にも過失がある場合の点数は別途記載)。

・死亡させた

 20点。相手にも過失がある場合は13点。

・3か月以上に及ぶケガをさせた

 13点。相手にも過失がある場合は9点。

・30日以上3か月未満のケガをさせた

 9点。相手にも過失がある場合は6点。

・15日以上30日未満のケガをさせた

 6点。相手にも過失がある場合は4点。

・15日未満のケガをさせたあるいは建物を壊した

 3点。相手にも過失がある場合は2点。

 「免許証の点数が引かれること」「ペナルティが課せられること」は、違反をした人からすれば残念なことかもしれません。しかし、これはより大きな事故を防いだり、また起きてしまった事故に対する罰としての意味を持っていたりします。その意味では、非常に重要な制度だといえるでしょう。

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