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もらい事故とは何のこと? もらい事故の特徴と対処方法について

山下江法律事務所

 交通事故は、誰にでも起こり得るものです。ただ、「どのような事故か」はケースバイケースです。ここでは「もらい事故」について解説します。

  • もらい事故の具体例
  • もらい事故の特徴
  • もらい事故が起きた場合の対処

について、それぞれ解説していきます。

もらい事故とは何? その特徴と具体例

 まず、「もらい事故とは何か」について解説していきます。

 交通事故は、一件一件ですべて状況が異なります。たとえば、過失割合が4:6のこともあるでしょうし、9:1のこともあるでしょう。ただ、「もらい事故」とは、片方にまったく過失がなく、もう片方にだけ過失がある事故を指す言葉です。そのため、「過失割合」は10:0(100:0)となります。

 「車の事故では双方がハンドルを握っているのだから、過失割合が10:0になることはない」と考える人もいるかもしれません。しかし実際には、このような「もらい事故」はそれほど珍しいものではありません。

 たとえば以下のような事例が、「もらい事故」の代表的な例です。

  • 赤信号なので停止線で停止していたら、後続車に追突された
  • ハザードランプを点滅させて路肩に停車していたら、突然追突された
  • 自分の信号が青、相手の信号が赤であるにも関わらず、相手が赤信号を無視して突っ込んできて追突された
  • 駐車場に車を停めていた状態で、相手からぶつけられた

 このようなケースでは「もらい事故」と判断される確率が高くなります。なお、ここでは、「もらい事故にあった被害者」の立場から解説していくことにします。

もらい事故が起きた場合の特徴

 もらい事故は、自分側には一切過失がない状態で、一方的に被害者となる事故です。そのため、双方に過失がある事故とは、その処理方法も支払われる金額についても大きな違いがあります。

・損害賠償金について過失相殺されない

 もらい事故の場合は、損害賠償金の算定において過失相殺されることはありません。

 たとえば、「本人がけがをして、入院治療を行っている」という場合,治療費を事故による損害として請求できますが,この治療費の全額を請求することができます。過失がないので過失分を差し引かれることはありません。

・違反点数が加算されることはない

 交通事故が起きたとき、「免許の違反点数が加算されてしまうのではないか。その結果、免停などのペナルティを受けるのではないか」と考える人もいるかもしれません。

 確かにもらい事故以外の車の事故では、違反点数が加算される可能性があります。しかし、もらい事故の場合は、被害者に一切の過失がなく、「相手によって引き起こされてしまった事故」であるため、被害者側の違反点数が加算されることはありません。これは、ほかの事故との大きな違いです。ただし、もちろん加害者側には違反点数が加算されるなどのペナルティがあります。

もらい事故が起きた場合の対処について

 このような違いを踏まえて、もらい事故が起きた場合の対処方法について考えていきます。

・処理は一般的な事故と同じ

 まず、「もらい事故が起きた際の処理」について見ていきましょう。この場合でも、もらい事故直後の対処方法は、ほかの事故と変わりありません。

1.けが人を救助し、病院などに連絡する

 もらい事故の被害者となった方がけがをする場合もありますが、もらい事故の加害者側がけがをする場合もあります。いずれの場合でも迅速に病院などに連絡をし、必要な場合は救急車を呼びましょう。

2.車を安全な場所に移動させる

 事故車をそのままにしておくと、後続車が事故を起こしたり交通渋滞が引き起こされたりする可能性が高くなります。特に狭い道や見通しの悪い道などは、このリスクが高くなります。事故車を移動させ、二重事故や渋滞の誘発を避けます。

3.警察や保険会社への連絡

 警察に連絡します。物損事故で処理をしてしまうと、後々大きなトラブルになりかねません。必ず警察に連絡をし、現場検証を行ってもらうようにします。また、保険会社にも連絡を行います。

4.相手の確認と目撃者の確保

 相手の確認を行います。また目撃者がいれば、目撃者の確保も行います。

・保険会社に交渉を依頼できないことに注意!

 もらい事故の場合、被害者が加入している保険会社に交渉を依頼することができません。
 自動車保険には保険会社による示談代行サービスがついていることが通常です。しかし,これは加入者が加害者の立場にあることが前提となっているものです。
 そのため,加入者に少しでも過失が認められれば,過失が認められる限りにおいて,加害者の立場に立つので,なお,示談代行サービスを利用することができます。
 しかし,過失が全く認められない場合は加害者ではないので,これを利用することができません。
 しかし,このような場合には,弁護士費用特約を結んでいれば,弁護士に示談交渉を依頼し,弁護士費用については保険会社に負担してもらうことができます。
 「相手(加害者)の保険会社の言い分に納得できない」などのような不満があれば、早めに弁護士に相談するようにしてください。助けを求めれば、法律の専門家である弁護士が間に入ることができるようになります。

・等級が下がることもある

 「保険会社は間に入れないのに、保険会社に連絡を行うようにする」と書いてあることに疑問を持った人もいるかもしれません。しかし、これも重要なのです。

 もらい事故の場合、違反点数が加算されることはありませんが、保険の等級が下がることはあるからです。被害者側にまったく過失がない状態であっても、車両保険を使った場合などは翌年以降の等級が下がる可能性が否定できません。このようなことも含めて、保険会社と話をしなければなりません。

 「もらい事故」は、自分に一切の責任がなくても起きる可能性のあるものです。また、自分自身がちょっと気を抜いた瞬間に起こしてしまう可能性のあるものでもあります。そのことを頭において、「もらい事故が起きたらどうするべきか」を考えていきましょう。

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